筑波大学のインターン生からのインターンシップについての寄稿を掲載しました(2)江原輝さん

キルギスでのインターンシップ

 

 筑波大学 社会・国際学群 国際総合学類 2年

 江原 輝

 2月26日から3月11日までKRJC、OVOPセンターにてインターンシップをさせていただきました。印象に残った活動を中心に現地での活動をまとめます。

印象に残った活動

 ①日本語でプレゼンテーション会(日本のおかしについて)

 2月28日にKRJCにおいて日本語学習者の日本語能力の向上、日本文化理解の促進を目標にした『日本語でプレゼンテーション会』に日本人プレゼンターとして参加しました。キルギスに到着後、キルギスの日本語学習者の方々が通常の日本人以上に日本文化に精通していると感じたため、現在の日本で流行しているものを紹介することにしました。そこで私は実際に食べられ、若者好みのお菓子をテーマに発表しました。現地の学生の中にはすでに日本に行った経験がある生徒も多く、知っている商品があると嬉しそうな反応を見せてくれました。おかしの紹介だけではなく、そのお菓子を食べる時期なども紹介し、日本人の生活が分かる発表にしました。また、実際にお菓子を持っていきキルギス人参加者に配りました。参加者は珍しい日本のおかしに喜んでくれたのでうれしかったです。

 ②ひな祭りイベントの準備、実施、記事作成

 3月2日に日本の伝統行事であるひな祭りに際して、ビシュケク内の日本文化の学習を行うTensai小学校の生徒をKRJCに招いてひな祭りイベントを実施しました。当日は日本文化の体験として書道、折り紙の体験、浴衣を着つけて記念撮影を行いました。言葉が通じないながらも私たちとコミュニケーションを取ろうとしてくれる子供たちの姿を見て、彼らの純粋さに心打たれました。さらに、イベントの途中では子供たちはテンサイ小学校で習った日本の童謡『春が来た』を披露してくれました。日本語で一生懸命に歌っている子供たちの姿は感動的でした。

 活動全体を通して子供たちが自分から日本語で自己紹介や質問をしてくれる場面が多くみられました。その姿勢から、意欲的に日本文化を学ぼうという意思が感じることができ、日本人としてとてもうれしかったです。また、子供が持つ可能性を体感し、将来は世界の子供たちに良い影響を与えられるような存在になりたいと考えるようになりました。

                                  図 1 書道体験の様子

       図 2 ひな人形の前で記念撮影

    ③Tensai小学校でのインタビューと記事作成

 3月4日、ひな祭りイベントで生徒を招待したTensai小学校を訪問しました。Tensai小学校の創設者であるジュベックさんは、KRJCのビジネスコースを卒業され、現在キルギスで最先端の教育を行っており、インタビューを実施することになりました。Tensai小学校では日本の教育を参考にした新しい教育が行われていました。本棚を毎月刷新したり、掃除を自分たちでしたり、植物、野菜を自分たちで育てたりと日本の教育の良いところを取り入れていました。また、通常授業以外に、外国語やそろばんなど、子供たちに様々な経験をさせることを重視しており、子供たちの将来の選択肢を広げる素晴らしい学校だと思いました。また、実際に日本語の授業に参加させていただきました。授業では童謡を歌ったり、漢字を勉強したりと意欲的に学習する子供たちの姿が見られ、日本人として非常にうれしかったす。             

 ジュベックさんはビジネスコースでの経験が現在の学校運営の基盤になっているとおっしゃっており、KRJCの活動がキルギスの発展に貢献していることを実感しました。

 

                   図 3 Tensai小学校の紹介を受ける様子

      図 4 Tensai小学校の授業の様子

 ④OVOPセンターでのインターン

 3月5日から7日にかけてJICAと現地の職員で運営されるOVOPセンターでインターンを行いました。OVOPセンターは日本の大分県発祥の一村一品運動をキルギスの地方で実施し、地方の経済発展を図るプロジェクトが行われていました。インターンの最終日である7日には、全国OVOP商品の品評会が行われ、キルギス全土のOVOPプロジェクトで作られた商品が集まり、商品の紹介、商品の表彰式が行われました。そのためOVOPセンターでの業務は品評会に向けての準備が中心でした。主な活動としては、参加者の名札づくり、商品ブランドのシール貼りが中心でした。微量ながらJICAの開発プロジェクトの重要なイベントに参加することができ、光栄でした。また、活動の合間には、日本人のプロジェクトコーディネーターの方々に大学の授業では聞くことのできない、開発の最前線のお話をお伺いすることができました。将来は開発業界で働いていきたいと考えている私にとって、開発の実際の現場を知ることができ、非常に有意義な経験になりました。

 

                          図 5 品評会に向けての準備

       図 6 OVOP projectの方々と

まとめ

 2週間のインターンシップを終え、キルギスのインターンシップに参加して本当に良かったと感じています。今まで大学の授業でJICAのプロジェクトについて学習することはありましたが、今回のインターンシップでは実際の現場でしかわからない開発の実情について学ぶことができました。現場で働く日本人の方々の姿を見て、海外で働く具体的なイメージをつかめました。

 また現地でできた友人と会話したり、街を歩いたりする中で、自分の課題の一つでもあった多文化の共存の状況を見ることができたと思います。多文化が混在する空間が日常になっている中でも、それぞれの人種の性格や歴史によって職業、思考の違いがあることが分かり非常に興味深かったです。

 さらに現地の友人、現地の職員の方々との交流、複数の機関でのインターンを通して自分の視野を広げることができました。世界には様々な考えを持つ人がおり、一つの考えに固執するのではなく、様々な視点から物事を考えていく必要があると思いました。

 キルギスに滞在する中でキルギスという国の可能性を強く感じました。電車で移動していた際に、お年寄りが入ってくると必ず若者が席を立ち、譲るという場面を多く目にしました。このようにお年寄りをいたわる文化は日本では薄れてきてしまっていると思います。また、キルギスには広大な自然が広がっていたり、キルギスでしか取れない植物もあったりと、大きなポテンシャルを秘めていると感じました。しかし、政府が弱いため、誘拐婚の風習がいまだにあったり、道路網の劣化が見られたりと課題も見つかりました。政府が安定し、法律面等の整備が進めばキルギスはこれからますます魅力的な国になっていくと感じました。

 私は将来世界を舞台に開発コンサルタントとして働きたいと考えています。そのためにまずは、今回得た貴重な経験を忘れずに、幅広い視野を持って大学の研究に励んでいきたいと思います。また、現地で出会った友人、現地職員の方々との交友関係を大切にし、今後も意見交換を行っていきたいと思います。




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